当社は“へら絞り”加工を起源とした会社であり、当社の“へら絞り”は機械による“スピニング”加工と共に、当社における中核をなす技術であります。
当社にて手掛けたへら絞り製品は、航空宇宙関連機器、通信機器、大型受変電機器、食品関連機器、半導体製造装置、業務用熱機器など、多岐にわたります。
素材に関してもステンレスをはじめ、アルミ、銅、鉄、難成形材であるチタン、Ni合金系のインコネル、ハステロイ、レアメタル系のニオブ、タンタル、モリブデンなど幅広く対応が可能です。
創業1950年以来の長きにわたり培ってきた当社の“へら絞り”加工の技術。
その一例をご紹介したいと思います。
加工事例
小型・中型へら絞り加工

- 部品名称
- 銅製容器
- 材質
- 純銅
- 板厚
- t1.5
へら絞り加工の代表事例です。
一枚板を深さ300㎜まで絞ります。
塑性変形にて起こる加工硬化などの金属の変化を自らが操る“へら”から感じ取り、板厚をコントロールしながら作業をする“技”はまさに職人技です。
大型へら絞り加工

- 部品名称
- トレイ
- 材質
- SUS304CP
- 板厚
- t2.5
- 大きさ
- φ1000㎜
絞り加工品の端部をローラ治具を使いR曲げ絞り加工を施しています。
Rの形状はRゲージをあて確認しながら丁寧にスピーディーに加工していきます。
また、この製品はキズ厳禁のため必要な部分をビニールで保護しながら作業をしています。

- 部品名称
- アルミカバー
- 材質
- A1050P
- 板厚
- t2.0
円筒製缶品からのへら絞り加工の代表事例です。
溶接ビードを平滑に処理した後、先端を内側へ絞ります。製缶品の径寸法管理も厳密に行われており、弊社の製缶技術と絞り技術が生み出したコストダウン事例の代表製品です。
大型へら絞り加工と溶接の複合加工
ここでは大型の絞り品と製缶加工品を溶接で組立した物を更に大型へら絞り旋盤(最大径φ2500㎜対応)にて絞り成形し、形状修正を行う加工事例を紹介致します。

- 部品名称
- DISH
- 材質
- A1050P
- 板厚
- 6.0t
木型と簡易治具による大型へら絞り加工。
まず最初に、木型にて中心部にあたるトップ部分をへら絞り加工します。

絞り加工品に扇製缶品をTIG溶接にて組立します。

溶接組立てされた製品を、更にへら絞り加工にて成形します。
製缶加工品の精度が悪い部分や溶接熱にてでた歪を修正しながら、慎重に成形していきます。

機能面(外面)を磨き上げ完成
へら絞りでの修正により機能面(外面)の精度は理論値に対して0.2(RMS値)で出来上がっています。
客観評価
当社で絞り加工された製品は、必要に応じて曲面精度などの客観評価を数値でご提示しております。

当社にて手掛けたパラボラアンテナは、お客様に安心して使っていただけるよう、こうした客観評価の基に世に送り出されています。
熟練の職人による“へら絞り”加工で、さまざまなニーズに対応
当社の加工製品に、いわゆる規格品はありません。
お客様より見積依頼等を受けたあとは、設計意図や製品加工の設計図を十分にお伺いし、精度、納期、コストなど、お客様のご要望に応じた製造方法をご提案いたします。
絞り加工について、ご質問、ご要望等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。